〔078〕仙丈ヶ岳 (3,033m)

標高差:1,003m

2004年09月17日(当時55歳)


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長野県伊那市長谷黒河内
  朝4時に目覚めて空を見ると雲の合間に星が見えていた。 ヘッドランプを持っている
中村さん御夫婦と5時出発の約束だったので、朝飯を食べていると5時前なのに御夫婦は
出発してしまった。 喉を通らない飯を無理やり食べて、4時45分に真っ暗の中、後を追う。
  月は出ていないが路面は何とか見えるので転ばない様に気を付けて歩く、甲斐駒の尾根道と同じくジグザグの急登が延々と続く、中村さんに追い付く前に明るくなってきたのでペースを落とす。  途中、休憩している中村さんに追い付き、先に行かしてもらう。
  五合目、大滝ノ頭からの急登を登り切ると6時35分、1時間50分で展望が開ける。
ガスは低く立ち込めているが鳳凰三山は不気味な暗さで見えている、甲斐駒山頂はガスにすっぽりと覆われている。 緩やかな尾根道を進み急登を登っていると立派な標識が見えたので、もう着いたのかと思ったら小仙丈ヶ岳だった。毎度の事だが地図がまったく頭に入っていない。
  小仙丈ケ岳からは尾根道を登り下りを繰り返しながら進む、ガスが出てきて山頂がどこにあるのかまったく見えなくなってしまった。
  8時05分、3時間20分で山頂に着く、山頂には8名程の人が既に休んでいた、馬ノ背ヒュッテから登ってきたらしい。 山頂からはガスで何も見えない、気温は7℃、風があり寒い。  この先に雷鳥が居るとの情報を得て反対側に下山する、雷鳥の姿を探しながら下山するが、鳴声は聞こえるものの姿が見えない、ハイマツに隠れてしまったか。
  8時37分に仙丈小屋に着く。 大きな綺麗な小屋であるが今は無人の様だ、外側には風力発電機が廻っている。  馬ノ背の尾根道にはお花畑が多いが今の季節、何も咲いていない。
馬ノ背ヒュッテで中村さん御夫婦と朝飯にする、600円のビールが堪らなく旨い。
  馬ノ背ヒュッテからの急登を降り切ると沢に出て大平小屋への分岐点となるが、これまた地図が頭に入っていなく北沢峠の標識につられ沢を渡ってしまう。
途中、沢の様な滝の様な水爆があったので、これが大滝と信じ、薮沢小屋を過ぎてもまだ道間違いには気付かなかったが、 ”大滝ノ頭”に出て初めて道間違いに気付く、引き返すにも
30分はロスするので、このまま下山することにしたが、綴れ折れの道を往復するのは辛かった。  11時16分、6時間30分で北沢峠に帰り着く、バスの時間は13時00分、2時間も持て余す。 30分程遅れて薮沢をちゃんと周られた中村さんと合流しビールを御馳走になる。 バスは何故か30分早く出発してくれた、下車後は混雑するであろう仙流荘の温泉には入らずに高遠まで行って ”さくらホテル”の温泉に入る。 700円と高かったが2日分であり、広い温泉に1人だったので満足出来る入浴だった。
初めて泊った山小屋 ”長衛荘”小屋のおっかーが泊り客の
名前を全部覚えているのに驚いた。 小屋泊まりは空い
ていたので問題は無しだった。
五合目、大滝ノ頭まではジグザクの急登が続き、ここからも
更に急登が続く、下山時は右から出てきて道間違いに気付く。
見晴らしの利かない樹林帯を1時間50分
頑張ると展望の開けた尾根道に出る。
振り返ると鋸山の山並みははっきり見えるが ”甲斐駒”の
山頂部は雲にすっぽり覆われてしまっていた。
登山道を振り返り見ると中村さん御夫婦が登って来た。
もう山頂かと喜んだが ”小仙丈ヶ岳”だった。
ナナカマドは綺麗に紅葉出来ていない、今年の紅葉はダメらしい。
2時間15分で小仙丈ケ岳に着く。 これでも標高は2,855m
もあるのだが何故かハイキング気分だ。
”小仙丈ヶ岳”から見た鳳凰三山北岳間ノ岳の不気味なシルエット。
先端が尖がった地蔵岳のオベリスクもはっきり見えていた。
登山道から”小仙丈ケ岳”を振り返り見る。
小仙丈ヶ岳の後ろの高い山は ”アサヨ峰”(2,799m)。
登山道の登り途中から山頂を見るがガスは切れそうにない。
雨が降らないだけましと思うしかしょうがない。
3時間20分にて ”仙丈ヶ岳”(3,033m)に着く。
メガネまで曇るガスで何も見えない。 気温7℃、風が強く寒い。
最近、新築されたらしい ”仙丈小屋”。 既に今シーズンの
営業は終っているが、中を見ると広く綺麗だった。
仙丈小屋の風力発電設備、トイレもバイヨになっていた。
馬ノ背尾根の下にある ”馬ノ背ヒュッテ”で中村さん御夫婦と
600円のビールを呑み、朝飯を食べる。
つっかえ棒がしてある倒れ掛けの”薮沢小屋”。
写すものがないので小屋ばかり写している。
名前は付いていない様だが雄大な滝が道の途中にあった。
(ガイドブックには載っている)
日本百名山』 写真は前日、甲斐駒から見た仙丈ヶ岳、当日はガスガスになってしまった。
方向音痴
  いくら地図を見ても頭に入っておらず、道間違いが多くなってきた、道を覚えるのはいつも
下山してからなので何の役にも立たない、これからは地図を首からぶら下げて歩くか。
山の天気
  天気予報を見て絶対大丈夫と出かけても、最近の晴天ヒット率は50%だ。
天気待ちをすれば良いのだろうが、残念ながらそんな気力と余裕は持ち合わせていない。
下山後の温泉
  バス乗り場の”仙流荘”にも温泉(実は鉱泉、500円)はあるが、乗客の多くが同時に入るので混雑が予想される。 ”高遠温泉 さくらの湯”に入るつもりだったが、結局、帰路途中で目に入った ”高遠さくらホテル”の温泉に入ってしまった。 近年最高値の700円だったが、綺麗な大きな風呂に一人だけだったので気分は良かった。 ただ、結婚式も出来るホテルのロビーを
汚い格好でウロウロするのはさすがに格好悪かった。
2004年度の南ア遠征
    09/16        09/17 
  甲斐駒ヶ岳 → 仙丈ヶ岳

4年後にリベンジを果たす
  2008年8月2日に再度 ”仙丈ヶ岳”に登り、展望の得られる山頂に立つことが出来た。
せんじょうがたけ
深田久弥著の「日本百名山」から
私の好みで、日本アルプスで好きな山は北では鹿島槍、南では仙丈である。何よりその姿がよい。
単純なピラミッドでもなければ鈍重な容量でもない。 その姿に軽薄や遅鈍のないところが好きな
のである。 スッキリして品がある。
下山時は道間違いで ”薮沢”を通ることが出来なかった。
(参考鳥瞰図)
2023年12月21日改定